★ "Judgment Ring 3rd" について....
 以前、私がJudgment Ring 1st から 2ndを制作した時点では「ほぼ完璧に再現できたと自負しておりました。」

 その後、映画や雑誌等で比較的鮮明に写っている画像や映像を見る機会はあったので "Heavy Ageing" を施してみたりもしましたがその時にもほとんど違和感は感じなかったのでアトリエの火災やらその後のごたごたもあったこともあり、ある画像を見るまでは3rdを制作するつもりは全くありませんでした。

 それは割と最近の画像で 当然、Talk is cheap よりも Switch よりも カリブの海賊 よりもはるかにすり減っていて 70年代当時 の面影などほとんど残っていないと言ってもいい状態の画像でしたが「だからこそ見えるようになった部分や、すり減ったと思っていたが実は最初からそういう形状だったのではないか?と思えるところが出てきたので、それを踏まえて今一度検証し直すことにしました。

 それまで全く違和感を感じなかった2ndですが、検証を進めるにつれ気になるところが目につくようになり、しまいには全く別物に見えるようになってしまったので、これはどうしても作り直さないと自分の気が済まなくなってしまったというわけです。

 さて、本来ならこのリングについてああだこうだと語るべきではないのかもしれません。なにせ ”Talk is cheap”ですからね....

...しかもキース・リチャーズのリングにさほど関心がない人にとってはさほどというか、全く2ndとの違いに気がつかないと言うレベルの話かもしれませんから....しかし彼のリングに並々ならぬ関心を持っている人のためにここはあえて主だった変更点を検証を交えて説明させていただきます。


★ 3rd Model について(その1)
 まずリングの見た目を大きく左右する変更点で、これこそ一から作り直さなければならなかった最大の要因となった顔の傾斜角の変更です。

 2ndとの比較画像を見ていただければわかると思いますが、3rdは若干下を向いています。これはSwitchの画像から手のひら側のリングの幅を割り出すために隣の指で隠れているリングの腕部分を再検証している時に分かった点で、上下のラインをそのまま延長した時に2ndの上側のラインをベースに考えるとかなり幅が広くなってしまうのです。

それではリングとして非常につけ心地が悪く、相当邪魔になってしまうのです。彼らがそんな作り方をするはずがありません。

 以前リングが内側に向いてしまっている画像を見た時にもそこまで幅広ではなく、かといって2ndの上側のラインから額までのラインの再現度はほぼ完璧なので、残された結論は顔全体の傾斜角が当初自分が考えていたよりも下を向いているということになります。従って2ndは下側のラインがオリジナルとは違っていたということで、3rdでは下側のラインも違っています。

★ 3rd Model について(その2)
 次はこめかみの部分です。

 2ndと3rdを上から比較するとよくわかりますが、3rdは2ndよりもかなり幅を絞り込んでいます。これは先にあげた画像にSwitchに掲載されている正面及び上面から見た画像から作った2ndの形状では辻褄が合わない陰影が出来ていたことから判明した相違部分です。

ご存知のようにSwitchの画像はモノクロで、ましてスタジオ撮影ゆえ強力な照明のおかげで殊更写り込みと影と変色の区別が

つきにくく、めかみの絞り込みもさることながら側頭部の弓状骨上部の彫り込みも2ndより深いということも判明したのでここも深く彫っています。2ndを作る際にいろんな角度から照明を当てて形状を割り出したのですが、これもたった一枚の画像に覆されてしまいました。

 こめかみの絞り込みもさることながら側頭部の弓状骨上部の彫り込みも2ndより深いということも判明したのでここも深く彫っています。


さて、残りの部分についてまとめて説明しましょう。

 先にあげた画像により判明した2ndとの相違点で顔の傾斜角と同様に重大な変更点で、スカルリングとしても肝心要な表情を大きく左右する顔の輪郭と目、鼻、頬骨、上顎、歯についてです。

 輪郭についてはそれを構成する頬骨と上顎、歯と合わせて説明します。

 オリジナルリングの製作者のサイトにて掲載されている比較的初期の(まだ歯が残っている)画像からTalk is cheap及びSwitchまでの摩滅加減から頬骨の元の形状を推測して2ndを制作したのですが、先にあげた極最近と思われる画像を見て1980年以前と思われる画像からSwitchまでの摩滅加減とSwitchから現在までの摩滅加減の進行度に矛盾があることに気がつきました。

 比較的磨耗しやすい部位であると思われる上顎前部の磨耗は納得がいくのですが、それに引き換え頬骨周辺の磨耗具合が少なすぎます。

 つまり2ndで推測した頬骨周辺の形状とは異なり、オリジナル製作当時から丸みを帯びた形状で、Switchの時点でも上顎前部ほどの激しい磨耗によって丸くなったものではなかったということになります。

 目の形状は額の幅を修正した結果、見る角度によってつり目に見えたり垂れ目に見えたりとオリジナルと同様の表情を見せるようになりましたが、比較的最近の画像の垂れ目ぶりはなんとも解せない点です。 

 そこで擦れたりぶつけたりした時に変形しやすい条件、つまり目の輪郭周辺が意外と薄く作られていたのではないかと考えました。おそらくそれは正しかったとようで、エイジング加工を施す際に周辺を軽く叩くだけで垂れ目になるようになりました。

 鼻の両側、頬骨から繋がる部分の凹みですが、見る影もなくすり減った現在の画像ではこの凹みの奥まで光が入っていたので2ndよりもその深さが浅い事、頬骨からの繋がり形状がよくわかりました。鼻の下の歯の生え際の凹みの形状はオリジナルリングの製作者の作風を考慮しつつ線の入り方がSwitchの画像と同じになるように制作しました。

 歯に関しては目と同様に変形磨耗しやすい形状を考慮して2ndよりも若干前歯を薄く、歯列の形状も変更しました。

 要するに全面的に変更せざるを得なくなったので一から作り直さなければならなかったというわけです。

 それにしても今回のこのリングの再検証でこのリングに関して同じ到達点を目指しているアーチスト達が何度も作り直しを繰り返している理由がよくわかりました。機会があれば是非このリングについて語り合ってみたいものです。

Burning Blood
知見有士

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通常モデル 01)復元 02)Ageing
Limited Edition 裏抜きなし 03)復元 04)Ageing