その後、映画や雑誌等で比較的鮮明に写っている画像や映像を見る機会はあったので "Heavy Ageing" を施してみたりもしましたがその時にもほとんど違和感は感じなかったのでアトリエの火災やらその後のごたごたもあったこともあり、ある画像を見るまでは3rdを制作するつもりは全くありませんでした。
それまで全く違和感を感じなかった2ndですが、検証を進めるにつれ気になるところが目につくようになり、しまいには全く別物に見えるようになってしまったので、これはどうしても作り直さないと自分の気が済まなくなってしまったというわけです。
さて、本来ならこのリングについてああだこうだと語るべきではないのかもしれません。なにせ ”Talk is cheap”ですからね....
...しかもキース・リチャーズのリングにさほど関心がない人にとってはさほどというか、全く2ndとの違いに気がつかないと言うレベルの話かもしれませんから....しかし彼のリングに並々ならぬ関心を持っている人のためにここはあえて主だった変更点を検証を交えて説明させていただきます。
2ndとの比較画像を見ていただければわかると思いますが、3rdは若干下を向いています。これはSwitchの画像から手のひら側のリングの幅を割り出すために隣の指で隠れているリングの腕部分を再検証している時に分かった点で、上下のラインをそのまま延長した時に2ndの上側のラインをベースに考えるとかなり幅が広くなってしまうのです。
以前リングが内側に向いてしまっている画像を見た時にもそこまで幅広ではなく、かといって2ndの上側のラインから額までのラインの再現度はほぼ完璧なので、残された結論は顔全体の傾斜角が当初自分が考えていたよりも下を向いているということになります。従って2ndは下側のラインがオリジナルとは違っていたということで、3rdでは下側のラインも違っています。
2ndと3rdを上から比較するとよくわかりますが、3rdは2ndよりもかなり幅を絞り込んでいます。これは先にあげた画像にSwitchに掲載されている正面及び上面から見た画像から作った2ndの形状では辻褄が合わない陰影が出来ていたことから判明した相違部分です。
ご存知のようにSwitchの画像はモノクロで、ましてスタジオ撮影ゆえ強力な照明のおかげで殊更写り込みと影と変色の区別が
こめかみの絞り込みもさることながら側頭部の弓状骨上部の彫り込みも2ndより深いということも判明したのでここも深く彫っています。
先にあげた画像により判明した2ndとの相違点で顔の傾斜角と同様に重大な変更点で、スカルリングとしても肝心要な表情を大きく左右する顔の輪郭と目、鼻、頬骨、上顎、歯についてです。
輪郭についてはそれを構成する頬骨と上顎、歯と合わせて説明します。
オリジナルリングの製作者のサイトにて掲載されている比較的初期の(まだ歯が残っている)画像からTalk is cheap及びSwitchまでの摩滅加減から頬骨の元の形状を推測して2ndを制作したのですが、先にあげた極最近と思われる画像を見て1980年以前と思われる画像からSwitchまでの摩滅加減とSwitchから現在までの摩滅加減の進行度に矛盾があることに気がつきました。
比較的磨耗しやすい部位であると思われる上顎前部の磨耗は納得がいくのですが、それに引き換え頬骨周辺の磨耗具合が少なすぎます。
つまり2ndで推測した頬骨周辺の形状とは異なり、オリジナル製作当時から丸みを帯びた形状で、Switchの時点でも上顎前部ほどの激しい磨耗によって丸くなったものではなかったということになります。
そこで擦れたりぶつけたりした時に変形しやすい条件、つまり目の輪郭周辺が意外と薄く作られていたのではないかと考えました。おそらくそれは正しかったとようで、エイジング加工を施す際に周辺を軽く叩くだけで垂れ目になるようになりました。
歯に関しては目と同様に変形磨耗しやすい形状を考慮して2ndよりも若干前歯を薄く、歯列の形状も変更しました。
要するに全面的に変更せざるを得なくなったので一から作り直さなければならなかったというわけです。
それにしても今回のこのリングの再検証でこのリングに関して同じ到達点を目指しているアーチスト達が何度も作り直しを繰り返している理由がよくわかりました。機会があれば是非このリングについて語り合ってみたいものです。
・下記より商品ページにリンクいたします。 ★通常モデル 01)復元 02)Ageing ★Limited Edition 裏抜きなし 03)復元 04)Ageing
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