Judgment Ring 発売より1年以上が過ぎました。外部への販売促進、メディアへの露出等一切していないにもかかわらず安定した人気を保ち続けています。

 そこで Judgment Ring がどのような状況で製作されるに至ったのか...そしてどのような事情により 2nd Model 製作に至ったのか...を振り返りつつ新たなページを付け加える為に Burning Blood / 知見有士氏の依頼のもとPsychedelic Factory のホームページに設置されました。

(2009は Burning Blood Blog には掲載されていません。Burning Blood. Psychedelic Factory に寄せられた皆様の質問に答える為、また Judgment Ring 現時点での集大成として知見有士氏が皆様の疑問を解消するため書かれたものです。(無断転載は固く御断りします。)

JUDGMENT RING 2ndについて  - 2009年02月10日 -

 このリングを発表して以来大変多くの方々にご好評をいただき本当にありがとうございます。お手元に届いた喜びのメールやお手紙をお寄せいただいた方々にこの場を借りてお礼申し上げます。

 これまでご購入いただいたお客様や、現在購入を検討されている方々よりいくつか質問やご意見が寄せられています。Burning Blood blogでは2ndについてあまり詳しく解説しておりませんでしたが、今後同ブログでは画像及び解説を掲載する予定がありません。そこでPsychedelic Factoryのサイトにて今一度このリングについて詳細な解説をさせていただきますので、これからご購入を検討されている方々にはご参考になれば幸いです。尚これをもってこれまでいただいたご意見、ご質問に対する答えとさせていただきますので、あとはどうかお客様自身でご判断いただきますようよろしくお願いします。

 まず、1stと2ndは制作するにあたって状況が全く異なっていたため、全く別ものであるとお考えください。

 どちらも個人的な主観を排除して制作したことは変わらないのですが、1stの制作開始時点で手元に用意出来た資料は「Talk is cheap」のジャケットのコピーの他2枚程の不鮮明な画像だけでしたから、それらの画像からはっきりと解る部分以外はどうしても私的な解釈によるつじつま合わせが必要で、その結果あのような形になったわけです。

 2ndの場合はお客様達からのご協力も得て、側面や上面、及び下からの画像が手に入り、それらを多角的に精査する事で完全に形状を把握する事が出来ました。したがって2ndは制作にあたって私的見解は一切排除して制作にあたっていますので私個人の主観は入っていないということを初めにお断りしておきます。

 さて、お寄せいただいているご意見で一番多かったのが、歯並びのアールについてでした。オリジナルのリングよりもアールがきつく、そのせいで前歯が飛び出して見えるという意見が多かったのですが、同様のご意見をいただいた方ほぼ全員が歯有りの新品バージョンをお求めになった方でしたからそのように見えてもいたしかたありません。解りやすい様に補助線を入れた画像で解説いたします。

 この画像はほぼ真横に近い角度で写っているので、奥歯から前歯までの距離が分かりやすく、また前歯の部分がどれほどすり減っているかが見て取れます。

 画像を2ndの現物と等倍にして、元々歯があった状態を想定した赤いラインから奥歯の距離を測るとAは約9ミリで2ndと全く同じです。ちなみに青いラインは彼の指の輪郭線で、赤いラインと合わせてみると新品状態の頃は以外と歯が飛び出ていたことがわかります。

 では歯がどの位すり減っているのかと、そのことによってどれほど歯のアールが変わるのかというと、画像の黄色い線からもわかるように、前後方向のBでは約1.5ミリ程すり減っています。上下方向のCでは約2ミリ程減っています。

 歯の長さがどれほど減ったのかが分かりやすいように残っている奥歯の生え際のラインに沿ってごく自然な感じで元々あったであろう歯の輪郭を赤い補助線でいれてみました。

 次にすり減った面がどのような曲面であるかが分かる画像です。

 この画像ではリングの下側やや右方向から照明があたってい ることが分ります。

 光の反射が同様の明るさを示している部分、赤線で囲んだ部分は同じかそれ以上の傾斜角度で照明の方に向いているということになります。目の上側のフチや鼻の上部、及び頬骨の裏側といった光が強く当たっている部分からも分かる様にかなりの傾斜角度で口元全体がすり減っている事が分かります。

2ndの新品とエイジングで歯列のアールを比較してみましょう。

 エイジングを施した物は’88年頃の状態、丁度「Switch」及び「Talk is cheap」の頃と 同程度の摩耗状態を再現した物です。

 理由はわかりませんが、オリジナルのリングは額や頬に比べて口元のすり減り方が通常の使用状況では考えられない程減っていますから全体的なバランスの狂いが生じています。歯の厚みがこれ以上薄いとすり減った時に歯の部分が完全に無くなってしまい、「Switch」及び「Talk is cheap」のような状態にはなりません。

 歯は奥歯が左右ともに二本あるかないかというところで、鼻の下の歯の付け根のくぼみは全く残っていない。

 歯がすり減った状態でこのような形状に変化させる為には2ndの新品状態と同様の形状である必要があります。

 ですから2ndの新品状態しかお持ちでない方が「Switch」及び「Talk is cheap」の画像と比較した時に各部のバランスが違って見えるのは当然で、オリジナルの比較的歯が残っている時の画像と現在の画像を比較してみるとやはり歯が残っている時のほうが額のボリュームが小さく見えます。

 これは口元の異常な摩耗によるバランスの狂いから生じる目の錯覚で、実際には歯が摩耗して
いる方が額もすり減っているはずなので盛り上がりが小さくなっていなければおかしいのです。

 これは余談ですが、ご存知のとおり当初彼はこのリングを上下逆さまにつけている事が度々あ
りました。本当の理由は定かではありませんが、私が思うに、これはまだ歯が残っていた当時、
ポケットなどに手をいれる際に歯の部分が引っかかるのを、嫌ったからではないでしょうか?
異常な摩耗の原因も、もしかしたら彼自身がその部分を削り落としてしまったということも考え
られなくも無い事で、だとすれば元々は引っかかる程歯が出ていたということであり、私が導き
だした答えとも矛盾しません。

 次は奥歯から耳にかけてついている膜のようなものと上顎の繋がりかたについてですが、これは1stを制作する時点で「Talk is cheap」の画像から割り出した形状で、オリジナルとほぼ同一の形状であることは間違いありません。

 二番目の画像からもわかるように丁度頬骨の下、歯列の一番奥にあたる部分に白い線が下に向かって伸びているのがお分かりになると思います。

 まずこの線を上下にまっすぐ延長した黄色い補助線をいれます。

 次にリングをしている指の中心線を同じく黄色い線でいれると先ほど入れた補助線とほぼ平行になります。

 つまり奥歯と膜のような部分の繋がりは指輪の縦方向に対してどの角度から見ても平行でなければいけません。

 燻しの残りかたや照明の加減でこの部分が正面から見た時にハの字に見えがちですが、実際は違います。「Switch」にそれを証明する画像がありました。丸く囲んである奥歯と膜のような部分の境界にはっきりと垂直な線が見えます。

 次に目の形状です。オリジナルはもう少しタレ目ではないかということですが、これはBurning Blood blogの方でヘビーエイジングを施す実験をした時に検証済みなのでそちらの方を参考にしてください。(ちょっと実験。2008年09月02日)

 ここではとりあえず新品、’88、現在の状態を再現したものを並べた画像を載せておきます。

 2ndはこのように客観的な視点とデータから得られた結果にのみ基づいて制作しました。「何故ここはそういう形にしたのか?」と言ったご質問や「ここはこうなんじゃないか?」と言ったご意見は沢山あるとは思いますし、事実2ndにも2カ所だけ確実にオリジナルと異なると思われる部分、歯の噛み合わせ面を造形しているところと裏抜きがあります。

 しかし、その2カ所以外の部位に関するBurning Bloodとしてのそれら質問や意見に対する答えは「オリジナルがそうであるから。」としか答えようがありませんし、現時点においては世界で一番再現度が高い物であるという自信があります。

 取捨選択の一切をお客様個人の判断にゆだねることが「ジャッジメント」たるゆえんでもあるので、今後更にはっきりと検証可能なデータが手に入り、それによって明らかな相違点が見いだされない限り3rdを作る事はありません。

 ただし、お客様自身の個人的な主観によって2ndのカスタムをご希望される場合はご相談承ります。

- 追記 -
 Burning Blood Blog 2007 Burning Blood Blog 2008 は知見有士氏の Burning Blood Blog より Judgment Ring について書かれた項目を日付通りそのまま転載してあります。順を追って読んで行きますと興味深い事が沢山書かれていますのでどうぞこちらも御覧ください。- Psychedelic Factory -