オギワラ : 読者の皆さん待ってるようなんで始めますか 順番を追っていきましょう。

チケン : 歯、鼻、頬骨の部分を大まかに削ります。次に研磨をかけてピカピカになる一歩手前まで仕上げます。「いぶし」をかけて更に磨き鏡面仕上げの一歩手前までもっていきます。金槌を使いぶつけやすいところ 深い傷をつけるため鼻、デコ等ぶつけやすいところを叩いて傷を付けていく。この金槌もjudgment ring用に叩く面に加工をしてあります。

線傷を表現するように表面に線を施してある。深い傷つけ作業が終了したらリューターで研磨をかける。「まめバフ」を使って深い傷のフチが尖っていないようにならす。そうすると古い傷のように角がとれた状態になります。しかし 今、バフを使った事により鏡面になってしまったので 次に「ワイヤーブラシ」を使用します。これもわざと毛を寝かせてある。
オギワラ : では、なぜ、毛を寝かせてあるのでしょうか?
チケン : コレで叩く事によりランダムな横傷が付くからです。とにかくコレで叩く!コレで叩く事により新しい傷ができる。しかし、新しい傷は光ってしまう。そこで真鍮のブラシ( judgment ring用似特殊な加工が知見氏自身により施されています。)これで叩くことでより光沢は無くなるのですが傷が付いた部分い艶が出てきちゃう。
オギワラ : それはいぶした部分に艶が出る。という事ですね。
チケン : 新品の状態のまま「いぶし」をかけると艶が消えてしまう。そこでナイロンブラシを使い「いぶし」の部分に艶をだしてやる。更に説明すれば「いぶしの粉を吹いた部分をなくす。」という表現の方が良いかもしれない。こうしなければ古いいぶしの色にはなりません。
オギワラ : エイジング加工のいぶしは重要だと言う事ですね。
チケン : そういう事!いぶしも古く使い込まれていなければなりません。
オギワラ : 頬骨のいぶしはさらに重要なのではないですか。
チケン : そうです。次に凄く細かいシリコンポイントを使い「いぶしといぶされていないところの境目」をリューターでこすってやるといぶしのフチにグラデーションが付く。
オギワラ : この方法により わざとらしさが無くなりますねぇ!
チケン : 更に真鍮ブラシで磨かれた部分を叩いて細かい傷を付けます。この段階では全体的に艶が消えてしまっています。このエイジング加工で最も大切な事は使い込んだモノを表現するという事なんです。次は更に重要です。日常使用しているリングはものにぶつかるんです。あたるんです。こすれるんです。要するに角等に艶が出る部分があるんです。この艶を再現する為に「まめバフ」を使い要所、要所あたるところだけにあとをつけてやると艶が出てきます。この艶も出しただけでは駄目なので落ち着かせます。固いスポンジにストッキングを付けて全体をこすってやります。そうすることにより10数年使い込んだリングと比べても遜色ない状態になります。
オギワラ : ココまで手をかけないとわざとらしいものが出来上がるという事だ!
チケン : ただブラシでこするだけではブラシ目が出るだけで使い古した感じのものとは違う。あと重要なのはkeith Richardsが使用してすり減っているというのが重要だからキースが使っている状況を想像する。キースが指輪をどこにぶつけるかどこで擦れるか マイクスタンドをしめたるする時に金属にぶつかることもあるだろうし自分でギターの弦を張り替えたりする事もあるんじゃなかろうか。こういった人は指輪の内側に横スジが多くなるキースのリングは写真で見る限り小指に向かい傾いているものが多いので傷は側面に近い部分に付くであろうと想像することができます。ココにつく傷は深いはずだろうし隣に指輪をしていないのでおのずと光沢がある部分も想像することができます。
オギワラ : DEEPな考察ですねぇ?
チケン : 深いですよぉー。顔面もぶつかるから減るんだけれど柔らかいものにも擦れるから減るのは顔の.......
オギワラ : 左側でしょ!
チケン : そう!左側で正解! 右側の方が減りにくい。ただし、頬骨から目の横に関しては手をつく時にぶつかるから傷は付くのだけど減り方が違う。
オギワラ : 左側は擦れてすり減った感じ.右はぶつけて潰れた感じということですねぇ。
チケン : .........と、想像することができる。というわけです。Judgment RingのAgeingは以上のことをふまえて加工している。
オギワラ : Judgment RingのAgeingは表面は指の裏側に至るまで重要なんだな。
チケン : そこまで考えてつくっている。そうでなければ誰かが使い古した風合いにはならない。
オギワラ : 人間が日常生活でこの指輪を長年にわたり使用し、擦れたり、ぶつけたり、して使い古された感じを出さなければ意味をなさない。で、良いですか?。
チケン : そう そう そういう事。面のある固いものにぶつけた場合は面で潰れるけど、角のあるものにぶつけた場合は線の傷、点の傷が入る。だからその傷達がランダムに存在しなければならない。そして、そのキズが集中する場所がいくつかあるんだなぁ。という想定のもとに出来上がっている。おでこと鼻の頭は重要、おでこの真中が潰れてると言う事は鼻の頭はそれより高い状態で残っているはずが無い。
オギワラ : なるほどねぇ。オレはそこまでは考えないなぁ。
チケン : 鼻が高かったらおでこは当たんない。だから、おでこと鼻の頭の一番高いところはツライチになってなければおかしい!それと歯の減り方.初期は中指に普通に付けているんだけど。ある時期、さかさまにつけている。さかさまにしてるのはポッケに手を入れたるするときに歯が引っかかるんじゃなかろうかと想像する。しかし逆さまにする事でより歯をぶつける。それは指輪をひっくりかえして付けてみれば歯の部分が浮いてしまうから。だからぶつける回数も多くなる。可能性としてはキースが自ら削っちゃったというのも考えられるけど、日頃のアクションの中で減っていく事を考えれば逆さまに付けてた時期にかなりすり減ったということも考えられなくは無いでしょう?コーツ アンド ハケットのページを見てる人は解ると思うけど元々歯があった訳だし削れたにしろ削ったにしろ元々歯が引っかかりやすい造形だったと言う事です。
オギワラ : 本日はコレで締めましょう。ありがとうございました。すでに Judgment Ring Ageing を所有されている方は穴があく程見て下さい。味わい深いリングです。